「ロミオとジュリエット」を手にしたわけ
ロミオとジュリエットの別れのシーンに雲雀が出てきます。「デインドン」のラストシーンはそれを引用しています。
さて、これは、お陽さまと雲雀の話です。
むかし、お陽さまは、地上に住んでいました。お陽さまはとっても貧乏で天上へ行く事ができません。どうにかならないものかと、考えました。一方、雲雀は、大金持ち。空をすいすいと優雅なくらしをしています。ある日のこと、お陽さまと雲雀がぱったり逢いました。大困りのお陽さま、大金持の雲雀に借金を申込みました。
「それはそれは、お困りのことでしょう」と雲雀。
「貸していただけますか」「はい、はい」とお陽さまは雲雀に、借金をしました。借金したものの、お陽さまは悔しくてたまりません。それから、大奮発。朝早くから、夜遅くまで、せっせせっせと働きます。少々、働き過ぎほど働いて、借金を返しました。でも、働き癖ってあるのでしょうか。お陽さま、それからも休まず働き、立身出世をなさいます。そして、天上へ昇ることができました。
こんなことがあってから、金貸しの雲雀は
「お陽さまに 金貸した お陽さまに 金貸した」
と、鳴きながら、天へ昇って行こうとします。天まで、行けるわけがありません。お陽さまは、雲雀がうるさく叫ぶのが気になってしょうがありません。
雲雀は鳴きます。
「日 一分 日 一分 利 取る 利 取る」
なるほど、お金は返金したとはいえ、利息の計算はしなかったのです。お陽さまは「私は、春になると朝早くから、明るくしたり温めたり、雨を降らせたりしているのだから、利子は負けておくれ!」 と、言います。それでも、雲雀は負けません。毎日、毎日、
「ヒ イチブ ヒ イチブ リートル リートル」
と、鳴きながら天へ舞い上がります。
雲雀の鳴き声に耳をすませて聞いてみてください。「日 一分、利 取る」と、聞こえます。
これは、東北地方にある民話です。 |

座長はあまり歌がうまくない。
彼は、とても心地よさそうに鼻歌を歌う。あまりに心地よさそうなので、その歌が何の歌なのか聞いてはいけないと思う。よーく聞いてみると「イージーライダー」だ。心地よく歌うわけだと周囲は頷く。その歌の心地よさを周囲も知っている。だからか、誰も彼に何も言わずへたくそな鼻歌をBGMに仕事をする。この時間、この場所を愛しく思うんです。---これが作品を書くにあたっての発端。
今回のタイトル「デインドン」は英語圏での鐘の音「ティンドン」からとりました。
私にとって、鐘の音といえば「ゴォ〜ン」または「カランコロン」。犬の声も「バウワウ」とは聞こえない。ましてや鶏の鳴き声が「クックドゥドゥルドゥ」などとは想像を超えた域。
さて空気ノ機械ノ尾ッポの「音」は、どう聞こえますか?
今回のお芝居は、「音」です。
お芝居は、時にはオルゴールのように、また、ラジオのように、また、工事現場のように、様々な音が鳴りやまずに続いていきます。
途中、お客様に挑戦していただくこともあります。何卒、よろしくお願いいたします。
80分の『音』をどうぞ、聴いてくださいませ。
著: 松川晃子 |