
足跡が一つ、道の真ん中に描かれていた。ちょっと、足を置いてみようか…ぴったりだ…。そこから見える風景は何やら一風変わって見える。「きっと何か伝えたい事があるんだ、この足跡は!」と思い続けて5年がたった。信じて立つ男の話。

〜シーン「佐々木とカエデの出会い」抜粋〜
カエデ ここに立ちたい?
佐々木 オッス!
カエデ どうぞ
佐々木 いいんすか?
カエデ 立ちたい人が立てばいい。ここは誰でも受け入れてくれる。
佐々木 ありがとうございます!
カエデ 君はどれくらいここにいるだろうね、ちょっと楽しみだよ。
佐々木 どれくらいいたんすか?
カエデ かれこれ10年。
ここが好きだ。どうか、大切にしてください。
佐々木 はい! あ、お名前を
カエデ カエデです、君は
佐々木 佐々木っす。
カエデ 健闘をいのります。
佐々木 はい! |

第四回有鄰館演劇祭←詳細はこちら
蔵芝居‘03 参加公演 桐生バージョン
2003年10月2日(木)
〜4日(土)
2日 19時 /
3日 19時 /
4日 17時 (計3回公演)
群馬県桐生市 有鄰館 (群馬県桐生市) |

東京公演 駅前バージョン
2003年10月17日(金)〜20日(月)
17日 19時 /
18日 18時 /
19日 18時 /
20日 19時
下北沢 駅前劇場 |
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善光寺坂のムクノキ---参考資料
ビルの谷間に東京ドームが見える小石川界隈。「こんにゃくえんま」のあるえんま通りを西に折れ、坂道を登っていくと、目的のムクノキが見えてきます。幹にはかなりの痛みがみられ、高さもありませんが、葉は豊富に茂っており、樹勢は悪くなさそうです。坂の下の方には、坂の名前の由来になっている善光寺が、上の方には伝通院というお寺があります。もともとはすべて伝通院の寺域だったようで、ムクノキもこのお寺と深いつながりがあります。江戸時代、伝通院の学寮で修行した澤蔵司(たくぞうす)という優秀な僧がいました。その僧が修行を終えた夜、学寮長の枕元に立ち、「私は千代田の城内にある稲荷である。修行を受けた恩返しに今後もこの寺を守る」と告げたため、寺内に稲荷を祀り、御神木としてムクノキを植えたとされています。
時代が経って、いつのまにかムクノキの根元は稲荷の境内から切り離され、道路の真ん中になってしまいました。こうなると、邪魔だから切ってしまおう、という声が出るのはよくあることです。ところが、何度も伐採が行われようとしたのですが、工事関係者に不慮の事故が続きました。それで「これは澤蔵司の祟りだ」といわれ、伐採はとりやめになったという話が残っています。
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今回の公演『ツタエタイ』は、2つのモチーフによって作りました。その一つは老樹です。その樹は台東区谷中にある善光寺坂の大きなムクノキです。伐採すれば祟りが有るという噂もあり、今はガードレールに囲まれ、片側の車道が歩道と植え込みになり、樹が守られています。樹は未だ生き続け、精いっぱいに枝を延ばしお日さまの光を浴びています。この老樹の話を描けたらなと思いました。老樹への思い入れは人によって色々だと思います。これは老樹に向けて私なりの気持ちです。ちなみにこの老樹に関しては下記に記しておきます。良かったら見に行ってみて下さい。
今回、座長原氏の提案により、群馬での公演を試みました。歴史深いこの土地で一体何をしたらいいだろう、何をしたら面白いと感じてくれるだろうと考えました。もう一つのモチーフは桐生です。桐生の人々、空気、山、川、空、全てです。ま、これも私なりの解釈でしかないのですが…。
桐生市の蔵芝居もそうなのですが、何か事を起こそうと様々な行事が行われています。特に芸術、演劇に関してはとても熱心です。市民一丸となって桐生を盛り上げようとしています。今回の芝居でも観に来て下さったお客さまから様々な熱いご意見をいただきました。その熱意を反映して東京バージョンを作りました。さて、東京のみなさまにはどのように受け入れていただけるのか、これまた気になる所です。
芝居としては時間が1時間30分と少々長いのですが、どうぞ楽しんでくださればと思います。
著:松川晃子 |